お仕事お疲れさまです

キンダー

 以前、子どもたち(男子中学生)が大きくなったら就きたい仕事ナンバーワンに「ユーチューバー」が入ったという話がネットを騒がせていたが、先日の新聞にこんな記事が載っていた。

 アメリカの経済誌が発表したユーチューバーの年収ランキングの一位にテキサス州のライアン・カジ君が就いたという。おもちゃの楽しみ方や科学実験などを紹介しているらしいのだが、カジ君なんと御年9歳! しかもトップは3年連続、今年の年収は約2950万ドル(約30億5千万円)! あまりの桁にゼロがいくつ並ぶのかもわからない金額だ。動画登録者は4170万人で再生回数は計122億回…と思いだしてプレイスクールでユーチューブにアップしていた動画を確認したら「ピーピー豆の笛作り」300回、「竹水鉄砲で遊ぼう」289回だった…ダメだこりゃ! 同じようなおもちゃ系何やけどなぁ…ちなみにすでにカジ君ブランドのおもちゃや洋服などもできているのだとか。10歳前にしてすでにリタイヤしても大丈夫ってスゴすぎるなぁ。

 もちろんここまでになるためには、それなりの努力やアイデアもあったに違いないが、観ている方にはそのたいへんさはなかなかわからない。ユーチューバーになりたいと思っている子どもたちは、きっとめっちゃ楽にお金を手にすることができそうだし、簡単に有名になれそうといった安直な思いからそう考えているのだろうが、よくいわれるように水面を優雅に進む美しい白鳥も水の中では一生懸命に脚を動かしているのだ。でも仕事って大変だけど面白いんだけどね。

 そういえばずいぶんと前のことになるが、幼児クラスの子どもたちと遊んでいたときひとりの女の子が突然こんなことを聞いてきた。「それでフーチンのホントの仕事は何なん?」「えっ?プレイスクールのリーダーやけど…」「違うやん。遊びと違ってホントの仕事やん」 きっとその子は大工さんとかお寿司屋さんとかマクドナルドの店員さんとかいった答えを期待していたのだろう。子どもたちとお気楽に遊んでいることが仕事だなんて彼女の理解の範疇を超えていたに違いない。裏返せば、幼児でもすでに仕事は大変でしんどいことだというイメージを持っているということだ。仕事をしたこともない子どもがそんな風に思うのは、きっとわれわれ大人が仕事から帰った時に疲れた顔をしていたりするのが原因なのかも知れない。

 ならばここはひとつ大人たちがちょっと頑張って、「いや~、今日の仕事も楽しかったわぁ~!」とうそぶいてでも仕事というもののイメージを変えていかないと、子どもたちの将来なりたい仕事ランキングの上位がユーチューバーやパチプロ、バカラプレイヤー、プロ雀士、それにわれわれのようなプレイワーカーなんてことになったらこの国の未来はかなりヤバいよ!

(2021/01月号)

蛇足
 AIが人間の仕事を奪うなんとことも言われている時代、近い将来仕事というものも大きく変わっていくのでしょうね。プレイスクールの仕事が終わって無職を続けながら仕事についてあれこれ考えていました。エッセンシャルワークをロボットやAIが担ってくれたら、人間は社会的に必要とされていない無駄なことやどうでもいいことを仕事とするのかも知れないなぁ、でもその遊びが社会を豊かにすることになるのかも…なんてことを無駄に考えているのでありました。アホなこと考えてないで仕事しろって…すんませんm(_ _)m

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